2025/09/18 Thu 「ちょっ、と! やだよ! こんな無理矢理……!」 ベッドにファイの薄っぺらい身体を突き飛ばして、すかさず組み敷いた途端に抵抗が始まった。 黒鋼は、必死で腕を突っ張るようにしながら耳まで真っ赤にしているファイを一笑する。 「てめぇが抵抗しなけりゃ無理矢理にはならねぇだろ?」 「そ、そうだけど……!」 「ずいぶん待たされたぜ? まぁせいぜいがんばれ」 「!!」 がんばれ、と言われたファイは絶句した。そんな約束をしていたことを、本人も今になって思い出したのかもしれない。 墓穴を掘るとはこのことだ。顔を赤くしたり青くしたりしながらも身を震わせるファイを見ると、なんだか愉快な気持ちになった。 思い返せばこの男には、出会ったときから散々手こずらされたのだ。全てひっくるめて、このさい意趣返ししてやろうと思った。 ファイの服を剥ぎ取りながら、黒鋼はほとんどイジメっ子の気分だった。 露になった白い胸の中心に一つ唇を落とすと、ファイが大袈裟に身体を震わせる。 「く、黒たん……ッ」 「なんだよ」 「やっぱり怒ってる……よね……? だから、こんなこと……」 「この状況で当たり前のこと聞くな」 「ぅ……」 もし今のファイに犬や猫の耳がついていたならば、きっといっそ哀れなほどにペッタリと下向きに倒れているのだろう。 「てめぇ不器用にも程ってもんがあるぞ。いちいち一人で抱え込むんじゃねぇ」 ファイの両手が黒鋼の肩にそれぞれかかった。ぎゅっと、縋るように掴まれる。泣きそうな顔をして、ファイは言った。 「だって……オレ、君を傷つけてたことさえ、知らなくて……」 浅い呼吸と共に必死で喋るファイの口を、黒鋼は自分の唇で短く封じた。 「だから俺は傷ついてねぇ。生きた心地はしなかったがな。つうかいきなり避けられんのだってキツイだろうが。俺だって人間だぞ」 「うん……うん……ごめん……ごめんね……」 「もううるせぇよ」 情けない顔で泣き出したファイの額を小突きながら、黒鋼は呆れて少しだけ笑った。 *** 「安アパートじゃねぇんだ。声出せ」 室内には濡れた音と、ファイの噛み殺した吐息が切れ切れに響いていた。 羽毛の枕に縋りつくようにして伏せている彼の全身からはすっかり力が抜け切っていて、今は小さな尻だけを黒鋼に向かって突き出している。 その身体中には、花びらのような鬱血の痕が幾つも散らされていた。 「や、だッ、はずかし……」 「こんな格好して、今更だろ」 黒鋼は、薄い尻の肉の片方を強く割り開いた。ファイの美しい背筋のラインが、蛇のようにのたうつ。ぐじゅりと卑猥な音がする。 その中心にある穴は、きつく閉じられていたのを黒鋼の指によってこじ開けられていた。 ゆっくりと時間をかけて身体中を愛撫して、幾度かいかせた折に彼が放った精液で、そこは柔らかく濡れている。 「アッ、もう、おねが……!」 ファイが無理に身体を捻って黒鋼を見上げた。泣き濡れた瞳は僅かに赤い。黒鋼は小さく鼻で笑った。 「なんだよ?」 「く、ろ……もぅ、ッ、つら、い……!」 熱の篭った小さな穴は、もはや黒鋼の太く長い指を二本も飲み込んで、物欲しそうに痙攣していた。熟れたように薄紅に染まるその場所を目前にして、黒鋼は密かに喉を鳴らす。 抉るように内部の繊細な肉を撫でて出し入れを繰り返す中で、数回に一度は悪戯に指先で前立腺を引っ掻いた。 その都度、腹につくほど反り返ったファイの性器からは先走りの蜜が零れ、音を立ててシーツを汚す。 「欲しいもんがあるなら言えよ。簡単だろうが」 以前であれば、ファイは平気で卑猥な言葉を口にした。むしろそれに煽られて翻弄されていたのは黒鋼の方だった。 それが今では、ファイはヒクヒクとしゃくりながら枕に顔を押し付けて首を振っている。 少し前の自分と、今の自分の違いに一番戸惑っているのはファイだった。 それなりに我慢を重ねてきた黒鋼にとって、優しく欲しいものを欲しいだけ与えてやりたいと思う反面、羞恥と戸惑いに悶えるファイをもっと苛めてやりたいという欲求もある。相反する感情に揺れているのは、黒鋼も一緒だった。 「やだ、やだ、おねが……ッ、オレ、もう、ダメなの……!」 枕を抱え込んだファイが、身悶えながら身体を捻る。苦しそうに涙を零す横顔が堪らなく愛しかった。 「だから何がダメなんだ? 言わなきゃわかんねぇだろ」 「いじわる、しない、で……! この、ままじゃ、オレ……!」 「どうなるんだ?」 黒鋼の指先がファイの感じる部分を掠めれば、細い身体がビクビクと大きく跳ねる。シーツに沁みを作るばかりの性器が破裂しそうなほど赤く膨れ上がり、限界が近いことを知らせていた。 ファイは口の端からだらしなく唾液を零しながら叫んだ。 「イク……! 指で、指、だけで、イクからぁッ!!」 「だったら」 黒鋼は内部に潜り込ませている指はそのままに、ファイに身体を覆い被せた。 「早く言え。俺も限界だ」 耳元に囁けば、ファイの見開いた青い瞳から大粒の涙が零れる。彼にとっての年貢の納め時だった。 「欲しい、よぉ……黒たんの、入れて、いっぱい、して……おねが、ぃ……」 徐々に語尾を弱くしながらも懇願するファイに、黒鋼は「仕方ねぇな」と言って不敵に笑った。 「ひとまず合格にしといてやるよ」 「いじわる……っ」 ふん、と小さく鼻を鳴らしながら、指を引き抜いた。ブルリと震える太腿を掴んで、そのままファイの身体を仰向けに引っくり返す。 「ッ!!」 その弾みで振り子のように揺れた性器から、粒のような先走りの体液が滴り、ファイの腹を汚した。小刻みに震えるそれがはしたなく涎を垂らし続けるのを見て、黒鋼は少しばかり遊びすぎたかと反省した。 身も世もなく乱れているくせに羞恥ばかりはいまだ健在らしいファイは、内腿を震わせながら目元を隠し、唇を噛んで黒鋼が衣服を脱ぎ去るのを大人しく待っている。 「おら、顔隠すな」 脱ぎ去ったものを適当に床に放りながら命令すると、指の隙間からファイの濡れた瞳が恐々と現れた。 けれどすでに丸裸にされていた自分と同様に、黒鋼も一糸纏わぬ姿になったのを見て、安堵から表情を和らげた。 黒鋼はファイに負けず劣らず張り詰めて反り返る己の性器を掴むと、柔らかく準備の整えられた秘穴にぐっと押し付ける。 「んっ、あっ、あぁぁ……ッ」 細い首を反らせて、ファイが甘い悲鳴を上げる。鼓膜を揺さぶるその声は、ずんと重く黒鋼の腰から下へダイレクトに響く。ぐっと奥歯を噛み締めて、その衝撃を根性で堪えた。 こめかみから伝った汗が、ぽたりと落ちてファイのしっとりと汗ばむ肌に溶け込んだ。 「まだイクんじゃねぇぞ」 慣らしたとはいえど、質量は指とはまるで違う。元々男を知っている身体であることは承知しているが、やはり気持ちが通じ合ってから抱くのとでは、心構えがまるで違っていた。 ファイの両足を割り開き、そのままゆっくりと身体を進める。ファイは泣きながら激しく首を左右に振った。 「あぁ、あっ、むり、ダメ……ッ、いく、いく、ごめ……ッ――!!」 「あ、てめぇこら……!」 シーツから浮き上がるほど背を反らしながら、ファイは挿入の途中で達してしまった。口をパクパクとさせながら激しく痙攣したかと思うと、途端に弛緩していく身体に思わず舌打ちをする。 「ぁ、ハッ、ご、め……」 薄い胸を大きく上下させながら、息も絶え絶えに謝罪するファイの表情はまだ絶頂の余韻から抜けきれず、どこかぼんやりと熱にうかされたように蕩けきっている。 「堪え性がねぇな……根本縛っときゃよかったか?」 「ご、ごめんてば……」 「てめぇ一人だけでよくなってんなよ」 「っ――!?」 シーツの上にぐったりと投げ出されていた白い両腕を取ると、黒鋼はそれをぐいっと引っ張った。そのままの勢いで自分はどっかりと胡坐をかく。挿入途中だった性器が、引っ張り起こされたファイ自身の体重でズブズブと内部に沈み込んでゆく。 「うあぁぁ……――ッ!!」 「ッ、く……っ」 張り詰めたような悲鳴を上げながら、ファイが黒鋼の肩に爪を立てる。 性器が焼けるように熱い媚肉に食われた瞬間、いっそ痛みにも似た快感に襲われた黒鋼も、低く呻いた。 容赦なく一気に最奥まで貫かれたファイは、黒鋼の首に両腕でしがみつきながら小刻みにしゃくり上げている。 その背中を幾度か撫でてやると、涙に濡れた頬が黒鋼の頬に猫のように擦り付けられる。 「辛ぇか……?」 後頭部を片手で抱き込みながら気遣うと、ファイは顔を上げてポカンと口を開けた。 「なんだよ」 「どうして、聞くの……?」 「あ?」 「だって……このままもっと、乱暴にされるのかなって……」 思わずムッとして頬が赤らむのを感じた。始めのうち、ファイは確かに今にも取って食われそうだと言わんばかりに縮み上がっていた。 彼にしてみれば、黒鋼が思いがけず気遣うような問いを投げかけるものだから、拍子抜けしたのだろう。 溜息を零しながら、黒鋼は言った。 「もう怒ってねぇよ」 「……ほん、と?」 「それどころじゃねぇからな」 「うぁっ、あ……ッ!」 緩く腰を揺さぶると、ファイは肩をぎゅうと竦ませながら喘いだ。 「まっ、て! まっ……!」 「待たねぇ」 ここまで堪えたのだ。怒りよりも、今は自らも快楽を貪ることの方に気持ちを傾けていた。 これ以上待つなど、こちらの気が触れてしまう。 「こっからだぜ? しっかり気ぃ保てよ」 「――っ!!」 そこからファイの意識が完全に途切れるまでの間、黒鋼は彼を激しく揺さぶり続けた。 ←戻る ・ 次へ→
ベッドにファイの薄っぺらい身体を突き飛ばして、すかさず組み敷いた途端に抵抗が始まった。
黒鋼は、必死で腕を突っ張るようにしながら耳まで真っ赤にしているファイを一笑する。
「てめぇが抵抗しなけりゃ無理矢理にはならねぇだろ?」
「そ、そうだけど……!」
「ずいぶん待たされたぜ? まぁせいぜいがんばれ」
「!!」
がんばれ、と言われたファイは絶句した。そんな約束をしていたことを、本人も今になって思い出したのかもしれない。
墓穴を掘るとはこのことだ。顔を赤くしたり青くしたりしながらも身を震わせるファイを見ると、なんだか愉快な気持ちになった。
思い返せばこの男には、出会ったときから散々手こずらされたのだ。全てひっくるめて、このさい意趣返ししてやろうと思った。
ファイの服を剥ぎ取りながら、黒鋼はほとんどイジメっ子の気分だった。
露になった白い胸の中心に一つ唇を落とすと、ファイが大袈裟に身体を震わせる。
「く、黒たん……ッ」
「なんだよ」
「やっぱり怒ってる……よね……? だから、こんなこと……」
「この状況で当たり前のこと聞くな」
「ぅ……」
もし今のファイに犬や猫の耳がついていたならば、きっといっそ哀れなほどにペッタリと下向きに倒れているのだろう。
「てめぇ不器用にも程ってもんがあるぞ。いちいち一人で抱え込むんじゃねぇ」
ファイの両手が黒鋼の肩にそれぞれかかった。ぎゅっと、縋るように掴まれる。泣きそうな顔をして、ファイは言った。
「だって……オレ、君を傷つけてたことさえ、知らなくて……」
浅い呼吸と共に必死で喋るファイの口を、黒鋼は自分の唇で短く封じた。
「だから俺は傷ついてねぇ。生きた心地はしなかったがな。つうかいきなり避けられんのだってキツイだろうが。俺だって人間だぞ」
「うん……うん……ごめん……ごめんね……」
「もううるせぇよ」
情けない顔で泣き出したファイの額を小突きながら、黒鋼は呆れて少しだけ笑った。
***
「安アパートじゃねぇんだ。声出せ」
室内には濡れた音と、ファイの噛み殺した吐息が切れ切れに響いていた。
羽毛の枕に縋りつくようにして伏せている彼の全身からはすっかり力が抜け切っていて、今は小さな尻だけを黒鋼に向かって突き出している。
その身体中には、花びらのような鬱血の痕が幾つも散らされていた。
「や、だッ、はずかし……」
「こんな格好して、今更だろ」
黒鋼は、薄い尻の肉の片方を強く割り開いた。ファイの美しい背筋のラインが、蛇のようにのたうつ。ぐじゅりと卑猥な音がする。
その中心にある穴は、きつく閉じられていたのを黒鋼の指によってこじ開けられていた。
ゆっくりと時間をかけて身体中を愛撫して、幾度かいかせた折に彼が放った精液で、そこは柔らかく濡れている。
「アッ、もう、おねが……!」
ファイが無理に身体を捻って黒鋼を見上げた。泣き濡れた瞳は僅かに赤い。黒鋼は小さく鼻で笑った。
「なんだよ?」
「く、ろ……もぅ、ッ、つら、い……!」
熱の篭った小さな穴は、もはや黒鋼の太く長い指を二本も飲み込んで、物欲しそうに痙攣していた。熟れたように薄紅に染まるその場所を目前にして、黒鋼は密かに喉を鳴らす。
抉るように内部の繊細な肉を撫でて出し入れを繰り返す中で、数回に一度は悪戯に指先で前立腺を引っ掻いた。
その都度、腹につくほど反り返ったファイの性器からは先走りの蜜が零れ、音を立ててシーツを汚す。
「欲しいもんがあるなら言えよ。簡単だろうが」
以前であれば、ファイは平気で卑猥な言葉を口にした。むしろそれに煽られて翻弄されていたのは黒鋼の方だった。
それが今では、ファイはヒクヒクとしゃくりながら枕に顔を押し付けて首を振っている。
少し前の自分と、今の自分の違いに一番戸惑っているのはファイだった。
それなりに我慢を重ねてきた黒鋼にとって、優しく欲しいものを欲しいだけ与えてやりたいと思う反面、羞恥と戸惑いに悶えるファイをもっと苛めてやりたいという欲求もある。相反する感情に揺れているのは、黒鋼も一緒だった。
「やだ、やだ、おねが……ッ、オレ、もう、ダメなの……!」
枕を抱え込んだファイが、身悶えながら身体を捻る。苦しそうに涙を零す横顔が堪らなく愛しかった。
「だから何がダメなんだ? 言わなきゃわかんねぇだろ」
「いじわる、しない、で……! この、ままじゃ、オレ……!」
「どうなるんだ?」
黒鋼の指先がファイの感じる部分を掠めれば、細い身体がビクビクと大きく跳ねる。シーツに沁みを作るばかりの性器が破裂しそうなほど赤く膨れ上がり、限界が近いことを知らせていた。
ファイは口の端からだらしなく唾液を零しながら叫んだ。
「イク……! 指で、指、だけで、イクからぁッ!!」
「だったら」
黒鋼は内部に潜り込ませている指はそのままに、ファイに身体を覆い被せた。
「早く言え。俺も限界だ」
耳元に囁けば、ファイの見開いた青い瞳から大粒の涙が零れる。彼にとっての年貢の納め時だった。
「欲しい、よぉ……黒たんの、入れて、いっぱい、して……おねが、ぃ……」
徐々に語尾を弱くしながらも懇願するファイに、黒鋼は「仕方ねぇな」と言って不敵に笑った。
「ひとまず合格にしといてやるよ」
「いじわる……っ」
ふん、と小さく鼻を鳴らしながら、指を引き抜いた。ブルリと震える太腿を掴んで、そのままファイの身体を仰向けに引っくり返す。
「ッ!!」
その弾みで振り子のように揺れた性器から、粒のような先走りの体液が滴り、ファイの腹を汚した。小刻みに震えるそれがはしたなく涎を垂らし続けるのを見て、黒鋼は少しばかり遊びすぎたかと反省した。
身も世もなく乱れているくせに羞恥ばかりはいまだ健在らしいファイは、内腿を震わせながら目元を隠し、唇を噛んで黒鋼が衣服を脱ぎ去るのを大人しく待っている。
「おら、顔隠すな」
脱ぎ去ったものを適当に床に放りながら命令すると、指の隙間からファイの濡れた瞳が恐々と現れた。
けれどすでに丸裸にされていた自分と同様に、黒鋼も一糸纏わぬ姿になったのを見て、安堵から表情を和らげた。
黒鋼はファイに負けず劣らず張り詰めて反り返る己の性器を掴むと、柔らかく準備の整えられた秘穴にぐっと押し付ける。
「んっ、あっ、あぁぁ……ッ」
細い首を反らせて、ファイが甘い悲鳴を上げる。鼓膜を揺さぶるその声は、ずんと重く黒鋼の腰から下へダイレクトに響く。ぐっと奥歯を噛み締めて、その衝撃を根性で堪えた。
こめかみから伝った汗が、ぽたりと落ちてファイのしっとりと汗ばむ肌に溶け込んだ。
「まだイクんじゃねぇぞ」
慣らしたとはいえど、質量は指とはまるで違う。元々男を知っている身体であることは承知しているが、やはり気持ちが通じ合ってから抱くのとでは、心構えがまるで違っていた。
ファイの両足を割り開き、そのままゆっくりと身体を進める。ファイは泣きながら激しく首を左右に振った。
「あぁ、あっ、むり、ダメ……ッ、いく、いく、ごめ……ッ――!!」
「あ、てめぇこら……!」
シーツから浮き上がるほど背を反らしながら、ファイは挿入の途中で達してしまった。口をパクパクとさせながら激しく痙攣したかと思うと、途端に弛緩していく身体に思わず舌打ちをする。
「ぁ、ハッ、ご、め……」
薄い胸を大きく上下させながら、息も絶え絶えに謝罪するファイの表情はまだ絶頂の余韻から抜けきれず、どこかぼんやりと熱にうかされたように蕩けきっている。
「堪え性がねぇな……根本縛っときゃよかったか?」
「ご、ごめんてば……」
「てめぇ一人だけでよくなってんなよ」
「っ――!?」
シーツの上にぐったりと投げ出されていた白い両腕を取ると、黒鋼はそれをぐいっと引っ張った。そのままの勢いで自分はどっかりと胡坐をかく。挿入途中だった性器が、引っ張り起こされたファイ自身の体重でズブズブと内部に沈み込んでゆく。
「うあぁぁ……――ッ!!」
「ッ、く……っ」
張り詰めたような悲鳴を上げながら、ファイが黒鋼の肩に爪を立てる。
性器が焼けるように熱い媚肉に食われた瞬間、いっそ痛みにも似た快感に襲われた黒鋼も、低く呻いた。
容赦なく一気に最奥まで貫かれたファイは、黒鋼の首に両腕でしがみつきながら小刻みにしゃくり上げている。
その背中を幾度か撫でてやると、涙に濡れた頬が黒鋼の頬に猫のように擦り付けられる。
「辛ぇか……?」
後頭部を片手で抱き込みながら気遣うと、ファイは顔を上げてポカンと口を開けた。
「なんだよ」
「どうして、聞くの……?」
「あ?」
「だって……このままもっと、乱暴にされるのかなって……」
思わずムッとして頬が赤らむのを感じた。始めのうち、ファイは確かに今にも取って食われそうだと言わんばかりに縮み上がっていた。
彼にしてみれば、黒鋼が思いがけず気遣うような問いを投げかけるものだから、拍子抜けしたのだろう。
溜息を零しながら、黒鋼は言った。
「もう怒ってねぇよ」
「……ほん、と?」
「それどころじゃねぇからな」
「うぁっ、あ……ッ!」
緩く腰を揺さぶると、ファイは肩をぎゅうと竦ませながら喘いだ。
「まっ、て! まっ……!」
「待たねぇ」
ここまで堪えたのだ。怒りよりも、今は自らも快楽を貪ることの方に気持ちを傾けていた。
これ以上待つなど、こちらの気が触れてしまう。
「こっからだぜ? しっかり気ぃ保てよ」
「――っ!!」
そこからファイの意識が完全に途切れるまでの間、黒鋼は彼を激しく揺さぶり続けた。
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