2025/09/19 Fri 白猫、大ショックの巻 黒鋼のバイトが休みの日。 ファイと黒鋼は、膝を突き合わせて布団の上にいた。 正座する黒鋼と、正座の出来ないファイはぺったりと女子のように座って、なんとなく無言で俯き合っていた。 この一週間、ドロドロに溶けそうなくらい爛れた生活を送っていたにも関わらず、こうして改めて、となるとえらく気恥ずかしい。 相手がいるのといないのとで、これほど違うなんて。自慰は終わった後とんでもなく後悔するが、始める瞬間に羞恥心がない点だけはいいような気がする。 ゴホン、という咳払いが聞こえた。 ファイがハッとして顔を上げると、黒鋼の少し緊張した面持ちがあった。 「……するか」 「……はい」 そうして、どこか初々しい二人の夜が幕を開けた。 +++ 「ん、ん……んぅ……」 四つん這いで布団にしがみつき、尻だけを高く黒鋼に突き出すように掲げて、ファイは小さく呻いていた。 いつものように裸になって愛撫に始まり、お互い一度ずつ達するところまでは同じだった。 だが、今夜はその先を行くのだ。 この態勢が楽だろうと言われて取ってはみたものの、明かりのついた部屋で相手に思いっきり見られているというのは、信じがたいほどの羞恥心があった。 大きな両手に尻を掴まれ、それぞれ二本の親指によって中心付近の肉を揉み解される。 その感覚にも背筋を駆け抜ける感覚があって、ファイは尻尾をピンと天井へ真っすぐ向けて震わせながら、熱い息を吐き出した。 「は、ぅ」 「力抜いて、楽にしてろよ」 「ぅん……」 付近の筋肉を解すのは、下準備の一つらしい。 どうやら黒鋼も男性との経験は初めてのようだが、やけに詳しいことを訊ねると、彼はとんでもなく言いにくそうに、そして照れ臭そうに「調べた」とだけ短く答えた。 そうまでして気遣ってくれること、そして求めてくれることが嬉しくて、ファイはちょっとやそっとの恥ずかしさくらい、我慢してみせると心に決めた。 入念に時間をかけたマッサージが終わると、ファイは下半身が全体的に熱くなっていることに気がついた。 黒鋼の手が離れたことで少し身体の力が抜けて「ふぅ」と息を吐き出していると、今度はいつもとは違う、ぬるりとした感触が中心の穴をなぞった。 「!?」 ちょっと首を捻って背後を見ても、胡坐をかいた黒鋼が視線を落としている様子しか見えない。 いつもは主に体液で湿らせて潜り込んでくるはずの指が、その謎の滑りによって一気に入り込んできて、ファイは背を反らせて腰を跳ねさせる。 「やっぱ違うな、使うと」 「な、なに、を~……?」 「これだ」 ポン、とすぐ横に青い蓋に白いボディの小さな容器が置かれた。 「わ、せ、りん?」 漢字はまだ不慣れだが、カタカナで書かれたその文字は読めた。 この時点ですでに黒鋼の指が身体の中にすっぽり入りこんでいるのだが、気になりつつも好奇心には勝てなかった。 蓋を開けて、中身の匂いを嗅いでみたが無臭だった。 なるほど、これが正しい用法かは知らないが、潤滑剤になるということか。 「ふっしぎー、そして便利ー……」 「遊んでんな」 「ッ!」 中に指を入れて感触を確かめたりしていると、ファイの中に入り込んだ黒鋼の人差指が、グルリと内壁をなぞった。 背後から伸びてきた手によって、白い容器も回収されてしまう。 ファイは敷布団のシーツをぎゅっと握って頬を擦りつけながら、逃げ出したくなる感覚にひたすら耐えた。 黒鋼はじっくりと時間をかけて、時折ワセリンを足しながらファイの中を解す。 二本の指をすっぽりと飲みこむ頃には、ファイは全身にうっすら汗をかいて、中を広げるようにしながら出入りする感覚に切なく喘いでいた。 そこはいつもより大きくいやらしい水音を立て、驚くほどスムーズに指を飲みこんでいる。 潤滑剤の効果はここまで絶大なのかと驚く反面、おかげでそこに多少の余裕が生まれている気がした。 余裕とは、つまりこの場合は物足りなさのことで、ファイは無意識に腰をむずむずと揺らしていた。 「ね、ぇ、黒、たっ……」 「ん」 「もう、いい、よ……」 ファイの気持ちとしては、もう存分に準備は整っているように感じられた。 一週間近くも時間をかけてゆっくりと慣らされてきたそこは、潤滑剤の力を借りて今、十分に柔らかく溶かされている。 黒鋼は、ファイの耳に届くか届かないかの小さな声で「そうだな」と呟いた。 けれど潜り込んだ人差指と中指は出ていかない。急かすようにきゅう、と締め付けると、彼は少しだけ笑った。 「余裕ありそうだな」 「ぅ、ん……ある……余裕あるから……それ、足りない……」 ファイの性器は、すでに腹につくほどそそり立っている。堪え切れずに糸を引く先走りがシーツにシミを作っていた。 それ以上のものなんて受け入れたこともないのに、ファイはそこをもっと太いもので穿たれる未知の感覚に身も心も焦がれている。 「早く……」 「ちょっと待てよ」 黒鋼は短くそう言うと、ファイの腰を掴んで中に押し込んでいる指をぐにぐにと動かした。 「あぁ……ッ、ぁ、や、だ……」 何かを探っているようにも思えるその動きに腰が跳ねる。けれどしっかりと掴まれていて、逃げることも出来ない。 やがて、黒鋼の指がとある一点を掠めた。 「ッ――!?」 たった一瞬撫でられただけで、目の前で火花が散った。 ぐんと背筋を反らして跳ねあがったその反応を見て、黒鋼は「なるほど」と呟く。 あやうく達する寸前だったファイは、息も絶え絶えに全身を小刻みに痙攣させる。 「なっ、な、なに……ッ、今のぉ……?」 「これか?」 「ひぁぁ……ッ! そっ、こっ、ダメ、ぐりぐりしちゃ……!!」 「案外簡単に見つけられるもんだな、ほれ、ここだ」 「ヒ、ィッ、あ、ぁ――ッ!!」 「……あ」 ファイが勢いよく射精するのと同時に、黒鋼が間抜けな声を上げる。 全身を引き攣らせたファイは、ほぼ強制的に絶頂まで押し上げられてしまった。 「ひ、ぅ……ぁ、ぁ……」 喉を引き攣らせ、くったりと横倒しに崩れ落ちてしまったファイは、一瞬の出来事があまりにショックで涙を零す。 カタカタという震えが止まらない。尻尾がぶわっと大きく膨れ上がっていた。 今のは一体なんなのか。黒鋼がどこかは知らないが、とある一点に触れただけで、前を触ってもいないのにイッてしまうなんて。 こんなことは今まで一度もなかったはずなのに。 「おい、大丈夫か……?」 横倒しになった状態で身を震わせるファイの顔を、四つん這いになって身を乗り出すようにした黒鋼が覗きこんでくる。 流石の彼も、多少は困惑気味だった。自分でやったくせに。 「ビックリさせちまったか……悪い……」 ショック状態で身動きが取れないでいたファイは、大きな手が耳や髪を撫でる感触にハッと我に返った。 そして、思いっきり黒鋼の首に両腕を回してしがみついた。 「うわあぁぁん黒たんのバカぁー!!」 「ぉわ!?」 「泣くとこだったじゃんかーっ!!」 「もう泣いてんじゃねぇか……落ち着けって……」 これが落ち着いていられるか。理解不能な人体の不思議によって、ファイは思いっきり混乱している。 「前立腺だ。まさかここまでとは……それともおまえが敏感すぎるのか?」 「あんなの……頭おかしくなっちゃうよ……」 「いいんじゃねぇか? なっても」 「バカぁ……」 そう言いながらも、ファイは黒鋼の身体の中心が気になって仕方がない。 いまだにショックは引きずりつつも、そしてどんな形にしても、自分一人だけ気持ちよくなってしまったのが少し悔しかった。 「ねぇ」 「!」 スルリと尻尾を動かして、先端で黒鋼の勃起した性器を撫でた。 「便利なアイテムだな、つくづく」 くるんと竿部分に巻きつけると、彼は苦笑しながらファイの唇にキスを落とした。 胸が苦しいほどドキドキと高鳴る。尻尾に感じる黒鋼のものが熱くて硬くて、達したばかりにも関わらず興奮が治まらない。 「交尾、しようよ」 精一杯の誘い文句のつもりだったが、黒鋼は「その言い方はやめろ」と言いながら、やっぱり苦笑した。 ←戻る ・ 次へ→
黒鋼のバイトが休みの日。
ファイと黒鋼は、膝を突き合わせて布団の上にいた。
正座する黒鋼と、正座の出来ないファイはぺったりと女子のように座って、なんとなく無言で俯き合っていた。
この一週間、ドロドロに溶けそうなくらい爛れた生活を送っていたにも関わらず、こうして改めて、となるとえらく気恥ずかしい。
相手がいるのといないのとで、これほど違うなんて。自慰は終わった後とんでもなく後悔するが、始める瞬間に羞恥心がない点だけはいいような気がする。
ゴホン、という咳払いが聞こえた。
ファイがハッとして顔を上げると、黒鋼の少し緊張した面持ちがあった。
「……するか」
「……はい」
そうして、どこか初々しい二人の夜が幕を開けた。
+++
「ん、ん……んぅ……」
四つん這いで布団にしがみつき、尻だけを高く黒鋼に突き出すように掲げて、ファイは小さく呻いていた。
いつものように裸になって愛撫に始まり、お互い一度ずつ達するところまでは同じだった。
だが、今夜はその先を行くのだ。
この態勢が楽だろうと言われて取ってはみたものの、明かりのついた部屋で相手に思いっきり見られているというのは、信じがたいほどの羞恥心があった。
大きな両手に尻を掴まれ、それぞれ二本の親指によって中心付近の肉を揉み解される。
その感覚にも背筋を駆け抜ける感覚があって、ファイは尻尾をピンと天井へ真っすぐ向けて震わせながら、熱い息を吐き出した。
「は、ぅ」
「力抜いて、楽にしてろよ」
「ぅん……」
付近の筋肉を解すのは、下準備の一つらしい。
どうやら黒鋼も男性との経験は初めてのようだが、やけに詳しいことを訊ねると、彼はとんでもなく言いにくそうに、そして照れ臭そうに「調べた」とだけ短く答えた。
そうまでして気遣ってくれること、そして求めてくれることが嬉しくて、ファイはちょっとやそっとの恥ずかしさくらい、我慢してみせると心に決めた。
入念に時間をかけたマッサージが終わると、ファイは下半身が全体的に熱くなっていることに気がついた。
黒鋼の手が離れたことで少し身体の力が抜けて「ふぅ」と息を吐き出していると、今度はいつもとは違う、ぬるりとした感触が中心の穴をなぞった。
「!?」
ちょっと首を捻って背後を見ても、胡坐をかいた黒鋼が視線を落としている様子しか見えない。
いつもは主に体液で湿らせて潜り込んでくるはずの指が、その謎の滑りによって一気に入り込んできて、ファイは背を反らせて腰を跳ねさせる。
「やっぱ違うな、使うと」
「な、なに、を~……?」
「これだ」
ポン、とすぐ横に青い蓋に白いボディの小さな容器が置かれた。
「わ、せ、りん?」
漢字はまだ不慣れだが、カタカナで書かれたその文字は読めた。
この時点ですでに黒鋼の指が身体の中にすっぽり入りこんでいるのだが、気になりつつも好奇心には勝てなかった。
蓋を開けて、中身の匂いを嗅いでみたが無臭だった。
なるほど、これが正しい用法かは知らないが、潤滑剤になるということか。
「ふっしぎー、そして便利ー……」
「遊んでんな」
「ッ!」
中に指を入れて感触を確かめたりしていると、ファイの中に入り込んだ黒鋼の人差指が、グルリと内壁をなぞった。
背後から伸びてきた手によって、白い容器も回収されてしまう。
ファイは敷布団のシーツをぎゅっと握って頬を擦りつけながら、逃げ出したくなる感覚にひたすら耐えた。
黒鋼はじっくりと時間をかけて、時折ワセリンを足しながらファイの中を解す。
二本の指をすっぽりと飲みこむ頃には、ファイは全身にうっすら汗をかいて、中を広げるようにしながら出入りする感覚に切なく喘いでいた。
そこはいつもより大きくいやらしい水音を立て、驚くほどスムーズに指を飲みこんでいる。
潤滑剤の効果はここまで絶大なのかと驚く反面、おかげでそこに多少の余裕が生まれている気がした。
余裕とは、つまりこの場合は物足りなさのことで、ファイは無意識に腰をむずむずと揺らしていた。
「ね、ぇ、黒、たっ……」
「ん」
「もう、いい、よ……」
ファイの気持ちとしては、もう存分に準備は整っているように感じられた。
一週間近くも時間をかけてゆっくりと慣らされてきたそこは、潤滑剤の力を借りて今、十分に柔らかく溶かされている。
黒鋼は、ファイの耳に届くか届かないかの小さな声で「そうだな」と呟いた。
けれど潜り込んだ人差指と中指は出ていかない。急かすようにきゅう、と締め付けると、彼は少しだけ笑った。
「余裕ありそうだな」
「ぅ、ん……ある……余裕あるから……それ、足りない……」
ファイの性器は、すでに腹につくほどそそり立っている。堪え切れずに糸を引く先走りがシーツにシミを作っていた。
それ以上のものなんて受け入れたこともないのに、ファイはそこをもっと太いもので穿たれる未知の感覚に身も心も焦がれている。
「早く……」
「ちょっと待てよ」
黒鋼は短くそう言うと、ファイの腰を掴んで中に押し込んでいる指をぐにぐにと動かした。
「あぁ……ッ、ぁ、や、だ……」
何かを探っているようにも思えるその動きに腰が跳ねる。けれどしっかりと掴まれていて、逃げることも出来ない。
やがて、黒鋼の指がとある一点を掠めた。
「ッ――!?」
たった一瞬撫でられただけで、目の前で火花が散った。
ぐんと背筋を反らして跳ねあがったその反応を見て、黒鋼は「なるほど」と呟く。
あやうく達する寸前だったファイは、息も絶え絶えに全身を小刻みに痙攣させる。
「なっ、な、なに……ッ、今のぉ……?」
「これか?」
「ひぁぁ……ッ! そっ、こっ、ダメ、ぐりぐりしちゃ……!!」
「案外簡単に見つけられるもんだな、ほれ、ここだ」
「ヒ、ィッ、あ、ぁ――ッ!!」
「……あ」
ファイが勢いよく射精するのと同時に、黒鋼が間抜けな声を上げる。
全身を引き攣らせたファイは、ほぼ強制的に絶頂まで押し上げられてしまった。
「ひ、ぅ……ぁ、ぁ……」
喉を引き攣らせ、くったりと横倒しに崩れ落ちてしまったファイは、一瞬の出来事があまりにショックで涙を零す。
カタカタという震えが止まらない。尻尾がぶわっと大きく膨れ上がっていた。
今のは一体なんなのか。黒鋼がどこかは知らないが、とある一点に触れただけで、前を触ってもいないのにイッてしまうなんて。
こんなことは今まで一度もなかったはずなのに。
「おい、大丈夫か……?」
横倒しになった状態で身を震わせるファイの顔を、四つん這いになって身を乗り出すようにした黒鋼が覗きこんでくる。
流石の彼も、多少は困惑気味だった。自分でやったくせに。
「ビックリさせちまったか……悪い……」
ショック状態で身動きが取れないでいたファイは、大きな手が耳や髪を撫でる感触にハッと我に返った。
そして、思いっきり黒鋼の首に両腕を回してしがみついた。
「うわあぁぁん黒たんのバカぁー!!」
「ぉわ!?」
「泣くとこだったじゃんかーっ!!」
「もう泣いてんじゃねぇか……落ち着けって……」
これが落ち着いていられるか。理解不能な人体の不思議によって、ファイは思いっきり混乱している。
「前立腺だ。まさかここまでとは……それともおまえが敏感すぎるのか?」
「あんなの……頭おかしくなっちゃうよ……」
「いいんじゃねぇか? なっても」
「バカぁ……」
そう言いながらも、ファイは黒鋼の身体の中心が気になって仕方がない。
いまだにショックは引きずりつつも、そしてどんな形にしても、自分一人だけ気持ちよくなってしまったのが少し悔しかった。
「ねぇ」
「!」
スルリと尻尾を動かして、先端で黒鋼の勃起した性器を撫でた。
「便利なアイテムだな、つくづく」
くるんと竿部分に巻きつけると、彼は苦笑しながらファイの唇にキスを落とした。
胸が苦しいほどドキドキと高鳴る。尻尾に感じる黒鋼のものが熱くて硬くて、達したばかりにも関わらず興奮が治まらない。
「交尾、しようよ」
精一杯の誘い文句のつもりだったが、黒鋼は「その言い方はやめろ」と言いながら、やっぱり苦笑した。
←戻る ・ 次へ→