2025/09/19 Fri 「黒たん、元気出してー」 終業式があったその日の夜、黒鋼は自室にいた。 「仕方ないよー。だって決まっちゃったことだもんー」 むっつりとした顔で腕を組み、机に向かって椅子に座った黒鋼の真正面の窓。 「そんなに泣かないでー。今生の別れじゃないんだしー」 「うるせぇ! 泣いてねぇし、そもそもおまえはなんつーとこから顔出してやがる!!」 ダァン、と拳で机を叩くと、白い光を放っていたデスクライトが一瞬跳ねた。ファイはそれを見て「マンガみたーい」と言ってへらりと笑う。 そんなアホが顔を覗かせているのは黒鋼の自室の窓で、まるで湯船に浸かるようにサッシに両肘をかけるファイは庭の木をよじ登り、屋根を伝ってここまでやって来た。まるで忍者である。 「いやー。普通に登場するのもつまんないかと思ってー」 「つまんねぇとかそういう問題じゃねぇ……」 「だってもうしばらく会えなくなるでしょ? だからインパクトのあることがしたいなーって」 「……ふん」 黒鋼は思わず鼻で笑うとそっぽを向いた。 そう、彼の言う通り、こんな風にこの男と顔を合わせるのは、今夜が最後なのだ。 それは本当に突然のことだった。 黒鋼は長いこと離れていた父と、再び一緒に暮らすことになった。 父が戻って来たのではなく、母と黒鋼が父の元へ行くことになったのだ。 父はずっと社員寮で生活していたが、長い間ずっと社宅として一軒家を借りられるようにと申請していたらしい。 そして長いこと空きがなかった社宅に、ようやく一軒の空きが出た。 そんなこと自体、全くの初耳だった黒鋼は、嬉しそうな母の様子にただ複雑な心境を持て余すことになった。 住み慣れた家は戻って来るまでの間、父の知り合いに貸すことに決まった。 もちろん転校も余儀なくされるし、今の中学へ通うのは今学期いっぱいとなった。 何もかもが自分の預かり知らぬところで進められて、それは仕方のないことではあるけれど、なんだか取り残されたような気分だった。 父と母と、また3人で一緒に暮らせるのは嬉しいはずなのに。 黒鋼は引っ越しの件をなかなかファイに話せずにいた。 彼の耳にはなんらかの形で情報が入っていたはずだが、向こうからも何も言ってこなかった。 そうして迎えた引っ越し前夜。 明日は早いしそろそろ寝るかと思っていた矢先に窓が叩かれて、見れば窓ガラスにファイが張り付いていた。(心臓が飛び出るかと思った) 「でもよかったねー。またお父さんと一緒に暮らせるようになって」 「……まぁな」 「お母さんも凄く嬉しそうだったし、なんだかオレも嬉しいなー」 「てめぇには何も関係ねぇだろ」 「あるよー。君がお母さんの笑顔が好きなのと一緒でさー」 黒たんが幸せだとオレも嬉しいと、ファイは恥ずかしげもなく言って笑った。そう言われたら悪い気はしないけれど、やっぱり複雑だ。 それは喉の奥に小骨が突き刺さっているような気持ち悪さに似ている。 別にこれで何もかもが終わってしまうわけじゃない。いつかは戻って来るのだし、例えば密かに楽しみにしていた今年の祭りだって、帰ってくればまた毎年参加できるはずだ。 だがそこで、黒鋼はなんだかバツが悪くなって椅子に座りなおした。 素直に認めるのは、嫌だ。嫌だけど、それでも多分、黒鋼が楽しみにしていたのは『今年の夏祭り』であって、いつになるか分からない先のことなど、正直どうでもいい。 (なんでだよ。なんで俺は、こんなアホのこと、こんなに……) その先は続かなかった。どんな言葉を繋げればしっくり来るのだろう。 やっぱり、ファイといると気持ちにムラが出来る。自分の心の中なのに掴みどころがなくなって、むしろ何を掴みたいのか、何をハッキリさせたいのかさえ、分からなくなる。 「ねぇ黒たーん。元気出してよー。オレとお別れするの寂しいのは分かるけどー」 「は!? おまえ思いあがってんじゃねぇぞ! 逆だ逆! 清々すらぁ!」 「あははー、そっかー」 つい勢いで吐いてしまった暴言に、ファイは相変わらずへらへらと笑っていた。 ちょっとくらいは傷つけよ、と思わなくもなかったが、どうもこの男は本音が見えない。思い起こせば出会ってからずっと、いつだって感情的にぶつかっていたのは自分だけだ。 それはつまり、本気で相手にされていたわけではない、ということになる。 「……おまえって、変だ。ムカつく」 「えー? 今更ー?」 「人形みてぇだ」 「うん?」 「笑ってるけど、別に楽しくて笑ってるわけじゃねぇんだ。きっとそういう顔に作られたから、仕方なく笑ってるだけなんだろ」 ファイは一瞬キョトンとした顔をした。それから、肩を揺らしてくすくすと笑いだす。 何が可笑しいのか知らないが、なんだか腹が立って睨みつけた。 肩の揺れがおさまると、ファイは頬杖をついて目を細め、にやりと口角を上げた。 「……ッ」 それはいつも見るような無邪気な笑顔ではなかったが、確かに見覚えがある。初めて彼に口づけられた日に見た唇と、同じ形をしていたからだ。 心臓が大きく跳ねるのを感じながら、黒鋼は自分の意思でそれから目を逸らすことをしなかった。 なぜか挑まれているような気になる。目を逸らしたら、この先もずっと負け続けることが確定してしまうような、おかしな意地が一瞬にして芽生えるのを感じた。 「生意気だなぁと思ってさ」 笑い方一つで、声音の違いで、この男は纏う空気を自在に操る。 今が夏の盛りだということを忘れるくらい、冷えた空気に。 「取っつきにくくて、可愛くないガキだなって」 「それがてめぇの本性か……」 ファイは目を閉じ、清々したような様子でふっと息を吐きだした。 それを真っ直ぐに見つめながら、黒鋼はひたすら喉が渇くのを感じていた。 ずっとおかしいとは思っていた。 なぜこんなにもベタベタと猫の子を可愛がるように接してくるのか、そういうマニアックな人種なのかと思っていた時期もあったし、今でも少し疑っているが、今のファイの様子を見てやっと分かった。 こいつは『可愛いから』からかっていたのではなく『生意気そうなクソガキ』だから、バカにしておちょくっていただけなのだと。 黒鋼は机の下で拳を握りしめた。 ずっとからかわれて、バカにされて、酷い思いをさせられてきたとは思うけれど、ここまで胸を抉られるような痛みを感じるのは初めてだった。 今までの思い出が全て否定されたような気がする。自分にとっては全て最悪でしかなったはずなのに、なぜか酷く傷ついた。 もういい。どうせ今夜でこいつの顔も見おさめだ。 これ以上一緒にいたら、自分がどんどん弱くなっていく気がして許せない。 だから帰れと一言告げるために息を吸いかける。だが。 「なーんちゃってー!」 次の瞬間、ガラリと空気が温く変わるのを黒鋼は肌で感じた。 「……あ?」 「ビックリした? ねぇどうだった? オレ、ミステリアスなイケメンって感じしたでしょー!」 「…………は」 「どこか影のある儚げな美青年……よし、これからはこのキャラで行こうかなー!」 「…………」 「ふふ!」 ……おちょくられた。 最後の最後。これが本当に、最後の夜。 イケメンだの美青年だの、自分で言うなと突っ込みたいのに、開いた口が塞がらなくて何も言えない。 黒鋼は全く違った意味で拳を震わせた。とんでもなく腹が立っている。けれど同じくらい、心底ホッとしている。 ペテン師のような男のくだらない嘘や、冗談や、仕草が、いつだってこんなにも気がかりでしょうがない。 そうだ。『可愛い』も『小さい』も、きっとファイだから尚のことムカついていた。出会った時から多分、こいつだけは理由もなく何かが特別で。 嫌よ嫌よも、という言葉が、黒鋼の脳内にぽっかりと浮かび上がる。そして気がついた。 先刻は見つけられなかった『こんなに』の続き。 きっと自分はこの男のことが好きだった。 それは女と笑い合っているのを見ただけで臍を曲げてしまうような、そういう類いの……。 「だって黒たんオレの未来のお嫁さんでしょー? 可愛くないなんて思うわけないじゃーん!」 「……だったらてめぇ、自分の言った言葉に責任持てるんだよな?」 「はへ?」 いつものように、怒鳴り散らすことはしない。 そんな真似をすればファイの思い通りだし、下で休んでいる母を起してしまう。 黒鋼は小刻みに語尾を震わせながら、椅子から立ち上がるとファイを見下ろした。 「次に会った時」 「え、うん?」 「もし俺がてめぇよりデカくなってたら」 「うんうん」 「てめぇが俺の嫁になれ」 「へ?」 「いいか。男と男の約束だからな!」 「え、いや、あの、嫁とか言ってる時点で男同士の約束もクソもないような」 「てめぇが言うな!!」 結局怒鳴ってしまった黒鋼は、すっかり片付いた荷物の上にあったバスケットボールを掴むと、ファイの顔面に向かって投げつけた。 それが額にヒットしたファイは「ふぎゃ!」と間抜けな声を上げて窓から闇夜へフェードアウトしていく。 屋根を転がる派手な音と、悲鳴と、ドスンという音が聞こえた気がしたが、黒鋼は容赦なく窓を締め、カーテンも締めきった。 そしてそれが、少年時代の黒鋼にとってファイとの最後の思い出になった。 ←戻る ・ 下剋上編へ→
終業式があったその日の夜、黒鋼は自室にいた。
「仕方ないよー。だって決まっちゃったことだもんー」
むっつりとした顔で腕を組み、机に向かって椅子に座った黒鋼の真正面の窓。
「そんなに泣かないでー。今生の別れじゃないんだしー」
「うるせぇ! 泣いてねぇし、そもそもおまえはなんつーとこから顔出してやがる!!」
ダァン、と拳で机を叩くと、白い光を放っていたデスクライトが一瞬跳ねた。ファイはそれを見て「マンガみたーい」と言ってへらりと笑う。
そんなアホが顔を覗かせているのは黒鋼の自室の窓で、まるで湯船に浸かるようにサッシに両肘をかけるファイは庭の木をよじ登り、屋根を伝ってここまでやって来た。まるで忍者である。
「いやー。普通に登場するのもつまんないかと思ってー」
「つまんねぇとかそういう問題じゃねぇ……」
「だってもうしばらく会えなくなるでしょ? だからインパクトのあることがしたいなーって」
「……ふん」
黒鋼は思わず鼻で笑うとそっぽを向いた。
そう、彼の言う通り、こんな風にこの男と顔を合わせるのは、今夜が最後なのだ。
それは本当に突然のことだった。
黒鋼は長いこと離れていた父と、再び一緒に暮らすことになった。
父が戻って来たのではなく、母と黒鋼が父の元へ行くことになったのだ。
父はずっと社員寮で生活していたが、長い間ずっと社宅として一軒家を借りられるようにと申請していたらしい。
そして長いこと空きがなかった社宅に、ようやく一軒の空きが出た。
そんなこと自体、全くの初耳だった黒鋼は、嬉しそうな母の様子にただ複雑な心境を持て余すことになった。
住み慣れた家は戻って来るまでの間、父の知り合いに貸すことに決まった。
もちろん転校も余儀なくされるし、今の中学へ通うのは今学期いっぱいとなった。
何もかもが自分の預かり知らぬところで進められて、それは仕方のないことではあるけれど、なんだか取り残されたような気分だった。
父と母と、また3人で一緒に暮らせるのは嬉しいはずなのに。
黒鋼は引っ越しの件をなかなかファイに話せずにいた。
彼の耳にはなんらかの形で情報が入っていたはずだが、向こうからも何も言ってこなかった。
そうして迎えた引っ越し前夜。
明日は早いしそろそろ寝るかと思っていた矢先に窓が叩かれて、見れば窓ガラスにファイが張り付いていた。(心臓が飛び出るかと思った)
「でもよかったねー。またお父さんと一緒に暮らせるようになって」
「……まぁな」
「お母さんも凄く嬉しそうだったし、なんだかオレも嬉しいなー」
「てめぇには何も関係ねぇだろ」
「あるよー。君がお母さんの笑顔が好きなのと一緒でさー」
黒たんが幸せだとオレも嬉しいと、ファイは恥ずかしげもなく言って笑った。そう言われたら悪い気はしないけれど、やっぱり複雑だ。
それは喉の奥に小骨が突き刺さっているような気持ち悪さに似ている。
別にこれで何もかもが終わってしまうわけじゃない。いつかは戻って来るのだし、例えば密かに楽しみにしていた今年の祭りだって、帰ってくればまた毎年参加できるはずだ。
だがそこで、黒鋼はなんだかバツが悪くなって椅子に座りなおした。
素直に認めるのは、嫌だ。嫌だけど、それでも多分、黒鋼が楽しみにしていたのは『今年の夏祭り』であって、いつになるか分からない先のことなど、正直どうでもいい。
(なんでだよ。なんで俺は、こんなアホのこと、こんなに……)
その先は続かなかった。どんな言葉を繋げればしっくり来るのだろう。
やっぱり、ファイといると気持ちにムラが出来る。自分の心の中なのに掴みどころがなくなって、むしろ何を掴みたいのか、何をハッキリさせたいのかさえ、分からなくなる。
「ねぇ黒たーん。元気出してよー。オレとお別れするの寂しいのは分かるけどー」
「は!? おまえ思いあがってんじゃねぇぞ! 逆だ逆! 清々すらぁ!」
「あははー、そっかー」
つい勢いで吐いてしまった暴言に、ファイは相変わらずへらへらと笑っていた。
ちょっとくらいは傷つけよ、と思わなくもなかったが、どうもこの男は本音が見えない。思い起こせば出会ってからずっと、いつだって感情的にぶつかっていたのは自分だけだ。
それはつまり、本気で相手にされていたわけではない、ということになる。
「……おまえって、変だ。ムカつく」
「えー? 今更ー?」
「人形みてぇだ」
「うん?」
「笑ってるけど、別に楽しくて笑ってるわけじゃねぇんだ。きっとそういう顔に作られたから、仕方なく笑ってるだけなんだろ」
ファイは一瞬キョトンとした顔をした。それから、肩を揺らしてくすくすと笑いだす。
何が可笑しいのか知らないが、なんだか腹が立って睨みつけた。
肩の揺れがおさまると、ファイは頬杖をついて目を細め、にやりと口角を上げた。
「……ッ」
それはいつも見るような無邪気な笑顔ではなかったが、確かに見覚えがある。初めて彼に口づけられた日に見た唇と、同じ形をしていたからだ。
心臓が大きく跳ねるのを感じながら、黒鋼は自分の意思でそれから目を逸らすことをしなかった。
なぜか挑まれているような気になる。目を逸らしたら、この先もずっと負け続けることが確定してしまうような、おかしな意地が一瞬にして芽生えるのを感じた。
「生意気だなぁと思ってさ」
笑い方一つで、声音の違いで、この男は纏う空気を自在に操る。
今が夏の盛りだということを忘れるくらい、冷えた空気に。
「取っつきにくくて、可愛くないガキだなって」
「それがてめぇの本性か……」
ファイは目を閉じ、清々したような様子でふっと息を吐きだした。
それを真っ直ぐに見つめながら、黒鋼はひたすら喉が渇くのを感じていた。
ずっとおかしいとは思っていた。
なぜこんなにもベタベタと猫の子を可愛がるように接してくるのか、そういうマニアックな人種なのかと思っていた時期もあったし、今でも少し疑っているが、今のファイの様子を見てやっと分かった。
こいつは『可愛いから』からかっていたのではなく『生意気そうなクソガキ』だから、バカにしておちょくっていただけなのだと。
黒鋼は机の下で拳を握りしめた。
ずっとからかわれて、バカにされて、酷い思いをさせられてきたとは思うけれど、ここまで胸を抉られるような痛みを感じるのは初めてだった。
今までの思い出が全て否定されたような気がする。自分にとっては全て最悪でしかなったはずなのに、なぜか酷く傷ついた。
もういい。どうせ今夜でこいつの顔も見おさめだ。
これ以上一緒にいたら、自分がどんどん弱くなっていく気がして許せない。
だから帰れと一言告げるために息を吸いかける。だが。
「なーんちゃってー!」
次の瞬間、ガラリと空気が温く変わるのを黒鋼は肌で感じた。
「……あ?」
「ビックリした? ねぇどうだった? オレ、ミステリアスなイケメンって感じしたでしょー!」
「…………は」
「どこか影のある儚げな美青年……よし、これからはこのキャラで行こうかなー!」
「…………」
「ふふ!」
……おちょくられた。
最後の最後。これが本当に、最後の夜。
イケメンだの美青年だの、自分で言うなと突っ込みたいのに、開いた口が塞がらなくて何も言えない。
黒鋼は全く違った意味で拳を震わせた。とんでもなく腹が立っている。けれど同じくらい、心底ホッとしている。
ペテン師のような男のくだらない嘘や、冗談や、仕草が、いつだってこんなにも気がかりでしょうがない。
そうだ。『可愛い』も『小さい』も、きっとファイだから尚のことムカついていた。出会った時から多分、こいつだけは理由もなく何かが特別で。
嫌よ嫌よも、という言葉が、黒鋼の脳内にぽっかりと浮かび上がる。そして気がついた。
先刻は見つけられなかった『こんなに』の続き。
きっと自分はこの男のことが好きだった。
それは女と笑い合っているのを見ただけで臍を曲げてしまうような、そういう類いの……。
「だって黒たんオレの未来のお嫁さんでしょー? 可愛くないなんて思うわけないじゃーん!」
「……だったらてめぇ、自分の言った言葉に責任持てるんだよな?」
「はへ?」
いつものように、怒鳴り散らすことはしない。
そんな真似をすればファイの思い通りだし、下で休んでいる母を起してしまう。
黒鋼は小刻みに語尾を震わせながら、椅子から立ち上がるとファイを見下ろした。
「次に会った時」
「え、うん?」
「もし俺がてめぇよりデカくなってたら」
「うんうん」
「てめぇが俺の嫁になれ」
「へ?」
「いいか。男と男の約束だからな!」
「え、いや、あの、嫁とか言ってる時点で男同士の約束もクソもないような」
「てめぇが言うな!!」
結局怒鳴ってしまった黒鋼は、すっかり片付いた荷物の上にあったバスケットボールを掴むと、ファイの顔面に向かって投げつけた。
それが額にヒットしたファイは「ふぎゃ!」と間抜けな声を上げて窓から闇夜へフェードアウトしていく。
屋根を転がる派手な音と、悲鳴と、ドスンという音が聞こえた気がしたが、黒鋼は容赦なく窓を締め、カーテンも締めきった。
そしてそれが、少年時代の黒鋼にとってファイとの最後の思い出になった。
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