2025/06/16 Mon 些細なことでケンカをした。 自分でも嫌になるくらいに取るに足らない、些細なことで。 大体の場合は操がしょうもない我儘を言ったり、無遠慮に煽るようなことを言ってくるのが原因で、こんなことは日常茶飯事だ。 けれど今日はなんとなく、自分も大人気なかったかもしれない。 けしかけたショコラに操が泣いても、知らん顔をして放置してしまったから。 操はどこかに逃げてしまった。どうせ美羽のところにでも行ったのだ。腹が空けば戻るだろうと、甲洋は自室のベッドで本を読んでいた。 すると、いつの間にかとろとろと居眠りをしていた。 覚醒と共に右手に何かが触れていることに気づき、ふと視線を走らせる。 「……来主? いつの間に?」 そこには床に座り込んだ操が、胸から上だけをベッドに伏せる姿があった。 彼は投げ出されていた甲洋の右手を両手で控えめにちょこんと掴んで、手の平に目元を擦り付けるようにして眠っていた。 まるで猫のごめん寝だ。ずるいよなぁと、甲洋は思う。 だって可愛いものは、つい甘やかしたくなってしまう。どんな悪さをしようとも、全て許してこちらが折れるしかなくなってしまうのだから。 「今日も俺の負けだよ、来主」 だからどうしたって、甲洋は操に勝てやしないのだ。 ←戻る ・ Wavebox👏
自分でも嫌になるくらいに取るに足らない、些細なことで。
大体の場合は操がしょうもない我儘を言ったり、無遠慮に煽るようなことを言ってくるのが原因で、こんなことは日常茶飯事だ。
けれど今日はなんとなく、自分も大人気なかったかもしれない。
けしかけたショコラに操が泣いても、知らん顔をして放置してしまったから。
操はどこかに逃げてしまった。どうせ美羽のところにでも行ったのだ。腹が空けば戻るだろうと、甲洋は自室のベッドで本を読んでいた。
すると、いつの間にかとろとろと居眠りをしていた。
覚醒と共に右手に何かが触れていることに気づき、ふと視線を走らせる。
「……来主? いつの間に?」
そこには床に座り込んだ操が、胸から上だけをベッドに伏せる姿があった。
彼は投げ出されていた甲洋の右手を両手で控えめにちょこんと掴んで、手の平に目元を擦り付けるようにして眠っていた。
まるで猫のごめん寝だ。ずるいよなぁと、甲洋は思う。
だって可愛いものは、つい甘やかしたくなってしまう。どんな悪さをしようとも、全て許してこちらが折れるしかなくなってしまうのだから。
「今日も俺の負けだよ、来主」
だからどうしたって、甲洋は操に勝てやしないのだ。
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